🌡️

熱中症 完全ガイド

予防から応急処置まで ― いざという時、仲間の命を守るために

熱中症とは

高温・多湿の環境で、体温の調節がうまくいかなくなり起こる、体のさまざまな不調です。屋外だけでなく、倉庫・車内・室内でも、また気づかないうちに進行します。早く気づき、早く対応することが何より大切です。

症状の見分け(重症度)

Ⅰ度(軽症)
めまい・立ちくらみ・大量の汗・手足のしびれ・筋肉のこむら返り(足がつる)。→ その場で涼しく、冷やして、水分・塩分。
Ⅱ度(中等症)
頭痛・吐き気・嘔吐・体がだるい・集中できない。→ 医療機関へ。自分で水が飲めなければ救急要請。
Ⅲ度(重症)
意識がない・呼びかけに反応がおかしい・けいれん・からだが熱い・まっすぐ歩けない。→ ためらわず119番。
⚠ こんな時は、すぐ 119
  • 呼びかけに反応がない/意識がもうろうとしている
  • 自分で水を飲めない
  • まっすぐ歩けない・けいれんしている

→ 救急車を呼び、応援を呼び、体を冷やしながら到着を待つ。ひとりにしない。

予防 ― なる前に防ぐ

日常・作業中の基本

  • のどが渇く前に、こまめに水分・塩分。作業中は20〜30分ごとに一口ずつ。汗を多くかく日は塩分も忘れずに。
  • こまめに休憩。日陰や空調の効いた場所で体を休める。
  • 暑熱順化(暑さに体を慣らす)。梅雨明けや急に暑くなる時期、休み明けは特に要注意。数日かけて少しずつ。
  • 睡眠・朝食をしっかり。前日の深酒・寝不足を避け、朝食を抜かない。
  • 体調が悪い日は無理をしない・申し出る。発熱・下痢・二日酔いの日は特に危険。
  • 通気性のよい服・帽子、保冷剤・空調服・スポットクーラー・送風機を活用。
  • 二人一組で声かけ・見守り。単独作業が多い現場こそ、お互いの様子を気にかける。新しく働き始めた人・高齢の方・持病のある方には特に配慮。

暑さ指数(WBGT)を確認する

気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」が目安。数値が高い日は作業の見直し・休憩増・中止の判断を。

WBGT区分目安
〜25注意水分補給を忘れずに
25〜28警戒定期的に休憩・積極的に水分
28〜31厳重警戒激しい作業は避け、休憩を多く
31〜危険原則、作業の中止・延期を検討

応急処置 ― なってしまったら

「熱中症かな?」と思ったら、あわてず、この順番で。

涼しい場所へ
風通しのよい日陰や冷房の効いた部屋へ。横にして、かかとの下にクッションを入れ足を少し高く、休ませる。
からだを冷やす
衣服をゆるめ、首・わきの下・足の付け根を保冷剤や濡れタオルで冷やす。うちわ・扇風機で風を送る。
水分・塩分をとる
意識がはっきりしていれば、経口補水液やスポーツドリンクで水分と塩分を。※自分で飲めない時は飲ませない
危険なサインは すぐ119番
反応がない・水が飲めない・歩けない時は、ためらわず救急。水は飲めても回復しなければ医療機関へ。待つ間も冷やし続け、ひとりにしない。
▶ 紙芝居(音声つき)で見る

職場の対策

環境づくり・運用

  • 休憩場所(日陰・空調・冷たい飲み物・経口補水液の常備)を確保する。
  • WBGT計で暑さ指数を把握し、高い日は作業計画を見直す(時間帯の変更・休憩増・中止)。
  • 作業前の健康チェック(睡眠・朝食・体調・飲酒)と、作業中の声かけ・巡回。
  • 発見時の連絡・対応の手順(誰が・どこへ・どう動くか)を決め、全員に周知しておく。
  • 運送業の留意点:車内・倉庫・荷役・長時間運転・単独作業は特に危険。こまめな休憩と連絡を。

法令(事業者の義務)

2025年(令和7年)6月1日施行の改正・労働安全衛生規則により、職場の熱中症対策が事業者の義務になりました。

  • WBGT28度以上、または気温31度以上の環境での一定の作業について、
  • ① 熱中症のおそれがある人を早期に見つける体制(自覚症状の申告・周囲の発見の仕組み)
  • ② 見つけた時の手順(作業からの離脱・身体の冷却・医療機関への搬送等)を定め、
  • 関係者に周知すること。

※ 適用範囲・詳細は社内規程および所轄の労働基準監督署の案内でご確認ください。本ガイドは周知・教育用の要点整理です。

出典:厚生労働省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」/環境省「熱中症環境保健マニュアル」等の一般的な情報に基づく社内向け要点整理(2026年6月)。